
2024年2月20日発行
A4 変形(28×21cm)/日英バイリンガル/112頁/図版37点
ISBN: 978-4-910794-10-5 C0071
榎本耕一の初画集。2020年から2023年までに描かれた油彩作品を収録。
古今東西のモチーフをサンプリングし、融合させながら、古代から現代までの物語を過密な情報と共に描いてきた榎本耕一。
コロナ禍の2020年以降はフォーカスする対象を今を生きる、目に見えるものに移しつつ、これまでに習得してきた技法を操りながら「現代」の都市と人々を描き残そうとしている。タイトルの「光」は、榎本が「見る」ことからそれを写しとるときにその場を駆ける光。また、絵画の制作は光をデザインすることでもある。
イメージの明滅する都市の光は同時に、原爆を想起させる漫画作品『光の中』でも表現されたように、宗教や技術によって人類が物語を紡いできた陰影の中の光とも重なり合う。現代を生きるありふれた生命、文化、または愛や友情といった、ときに反復され陳腐化し、普遍化され消滅していく存在。それらが放つ光を、作家は絵の中にとどめようとする。
本書は作品図版のほか、作家による本書に寄せたテキストに加え、マイアミ現代美術館アーティスティックディレクターのアレックス・ガルテンフェルト氏、大阪中之島美術館主任学芸員の中村史子氏の書き下ろしの論考を掲載する。
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執筆:榎本耕一、アレックス・ガルテンフェルト、中村史子
デザイン:加納大輔
(出版元紹介文より)